Zaki-san's Bar

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コンサルタントの考え方

今週のお題「人生変わった瞬間」

40を過ぎての新たな挑戦

40歳を過ぎ、3年間 営業部長という職を経験した後、大変お世話になった

元の上司からコンサルティング子会社で自分の部署への出向の打診があった。

次のキャリアがはっきりとは見えていなかった時期でもあり、周囲の人間が

多く転職したりもしていた中で、新しい事への挑戦もいいかなと思い、

営業から突然 戦略コンサルタントという新たな職種にチャレンジした。

思ってたのと全然違った大変な日々

入社して20年、正直なところ、かなり順風満帆にキャリアを積んでいた

自分は、そもそもコンサルタントという職業をかなり馬鹿にしていた。

コンサルタントなど、ほんの一部の優秀な人以外は、カッコつけていても

結局は机上の論理の世界で、20年の実務経験のあるスペシャリスト志向の

自分は絶対に負けるわけない、と自信満々で異動した。

のだが。。。。

2つほど、まあ無難にプロジェクトをこなしたが、そのあとが大変だった。

自分の専門分野であったにもかかわらず、5歳ぐらい年下のコンサルタント

のキャリアだけでやってきたリーダーと一緒に仕事をした。

3つほどの同じようなプロジェクトをやったが、毎回、そのリーダーは

お客様からの評価が1,2回のコールで抜群に良く、僕の方は、一度は

最初のコールで「彼は不要」とダメ出しをお客様からされる始末。

いやー、それまでの自信もプライドもガタガタになり、社会人になってから

はじめてと言っていいような屈辱を味わうことになってしまった。

いったい、何が違うのかを考え悩む日々

まあ、しかし、そこで負けるわけにはいかない。

必死にくらいついて、かなり頑張って日々の仕事に努力をした。

だが、何かが違う。。。業務そのものの知識は自分の方が詳しく、

それ相応の知見もあったが、優秀なコンサルタントというのは、中身は

初めて聞くような業務でも、お客様とのヒアリングで、的確に問題点を

整理していく。 お客様も、自分の頭の中がきれいに整理されていくので

とても心地よく、効率的にプロジェクトが進んでいく。

これは、大変な世界に飛び込んだ。

いちから、勉強する必要があると気づいたのは異動してやがて1年になる

頃の事である。

目からうろこのロジカルシンキング研修

悩みながら、もがいている僕を見て、上司が、ある研修に僕をノミネート

してくれた。

コンサルティングの基本でもある、ロジカルシンキングの研修である。

この研修は、社内研修であったが、講師は元マッキンゼーのパートナー

斎藤顕一さん という問題解決の大御所のような人であった。

大阪弁の怪しいおっさん(大変失礼ですがご容赦ください)という感じの

この方の研修は、本当にすごかった。

恥ずかしながら、この時初めて コンサルタントの考え方、思考法を

学んだ。 

ようするにコンサルタントというのは問題、課題の整理術である。

3日間の短い研修であったが、ここで

MECE 「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」(ミーシー)

という「漏れなくダブりなく」物事を整理する事。

ある事象の全体を 部分に括って整理する、順番をつけて整理する

などフレームワークで整理する手法など コンサルタントが物事を整理

する基本的な考え方を学ぶ事ができた。

コンサルタント式の考え方はあらゆる活動に役立つ

もちろん、実際のプロジェクトでは、こういった考え方をうまく使うにしろ

そんなに簡単ではないが、こういう思考法を知っている事はこの後の仕事

に本当に役に立った。

それまでは、経験と勘で判断をするケースがほとんどであった。

もちろん、実務経験が豊富な分野であれば、その方法でも十中八九は判断は

正しく、仕事をする事ができる。 

しかしながら、コンサルタントの考え方を知っていると、全く経験のない

仕事も、情報を整理して効率的に進めていく事ができる。

また、経験豊富な分野でも、従来の常識だけにとらわれず、新たな方法や

やり方を考えるといった事ができるようになり、イノベーティブな仕事を

していくことも可能になる。

実際、コンサルタント職は、そもそも自分がある程度の地位になっていた

ため、自分のコストがあまりにも高すぎて、大変苦労をして、最終的には

3年ほどで自ら異動を希望して、また本社の営業に戻った。

その後、従来のスペシャリティーのある分野とは全く違った、分野やお客様

を担当したが、そうした、新たなキャリアを築けたのはコンサルタント経験

があったからだと思っている。